「さあ皆で考えよう!」の危険性 【リスキーシフト】

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「さあみんなで考えよう」の危険性

 

 会議でよくある場面。「それじゃあそろそろアイディアも揃ったし、皆で結論を考えよう」というケース。これは家族会議でも同じ。通常2人以上の集団で物事を判断・決定するときは十分に注意しなければならないという話。特に日本的な会社(日本企業に限らない)の場合、意思決定の危険性は特に大きい。冷静な自分を常に保つ必要がある。

極端な意見に左右されやすいのが人間の特性

 なんとなく説得されてしまったというケースは良くあることだ。声が大きい人や、優秀そうな人、そして怖そうな人。こういった人の意見はついつい聞いてしまうし、彼の意見に流れやすい。そして極端な意見。これにも流れやすい。飛びついてしまって論理的な検証を行わないまま、集団での結論付けになることが多い。このように集団が陥りやすい判断ミスの原因の一つにリスキーシフトがあるといえる。

集団の中で発せられた極端な意見や提案に全体が同調しやすい

これがリスキーシフトだ。

例えばこんな会議でリスキーシフトが発動する。

 社長が「よし、これからはアフリカだ。広いし可能性に満ちている、銀行や商社も進出を
進めているし、可能性がないところに火は起きないものだから。今季進出するか」
続いて社長派の幹部達が「おっしゃるとおり」「ぜひやりましょう」「可能性があります」と同調する。さらに少し頭の切れる出世魚が「様々なデータから分析すると・・・・という数字が出ています」とさらに数字で社長の意見を固める。
心地よい賛同の中、社長は「それでは次の役員会で提案をしてほしい。誰が適任か?」という。さっきまで賛同していた幹部が自分は嫌なのだろう。みな目を伏せる。一瞬の沈黙のあと、出世魚くんが「Aさんはどうでしょう。英語も堪能ですし」すると全員が「それはいい」と無言でうなずく。
社長「それではA君にアフリカ事業は担当してもらおう。あとはよろしく」と会議は終わった。Aさんは会議の内容を後で聞かされまったく状況が呑み込めていない。
Aさんが担当しているのは中国進出計画であり、自社の命運がかかった5か年プロジェクトだ。しかもアフリカ進出の際に判断材料となったのは「社長の一言だけ」だった。
会議資料すらない。マーケティングも、経営計画もない。
「企業はいったい何を判断材料にしているのだ」と思ったAさんはリクナビのページをそっと開いてワンマン企業から去ろうと活動を進める。

集団思考の危険性

稚拙な例で申し訳ないが、感じていただきたかった疑問の正体は2つ。
  1. 一人で同じ意見を受けた場合にその意見は拒絶しやすい。
  2. 冷静に客観性を持っていれば間違いにしか思えない。
まったく論理的ではない結論も集団の中で合意が形成されてしまう。危険度(リスク)の高い言動をなおかつ高い役職の人間から発せられるとその意見に全体が傾斜しやすくなる。逆もまたしかりで、実に保守的(リスクフリー)な意見が発せられた場合でもそちらに傾斜する。

自分が誤らないために

 リスキーシフトを防ぐためには、やはり冷静な目で会議に出席をすることだ。もし雰囲気的に、また自分が末端社員であった場合、アフリカ進出の「検討」は防げないかもしれない。ただし「検討だ」。「検討」は実に日本的な便利な言葉だ。「検討をすることを決定する」というのは何も決定しないに等しいが、会議を「アフリカ進出を検討する」というしめくくりに持っていければよい。
そしてもっといいのは「検討することに手を挙げること」だ。後日マーケティングリサーチをして、その国、その産業、競合、様々な情報を分析して報告しよう。そしてあるべき姿を提示しよう。進出するにせよ、しないにせよ、その戦略は自分次第になる。自分で会社の計画を決められる。裏方でも良い。誰かのために資料を作って自分の意見に巻き込んでしまおう。

結局のところ、集団の身勝手な判断の責任を必ず現場の担当者が取らされる。責任者や部門長ではない。

 日々注意なければならない点はこれだ。上は決めたら終わり。あとのことは知らない。あなたに発せられる意見は実に無責任だ。「僕が社長に提案したからなんとかしなさい」しか言われない。これが世の常です。
 それでもなお、その欠陥さえ自分の思惑通りに進められるよう行動する知的ゲームを
楽しむくらいの気持ちでいないとサラリーマンなんてやっていられません。人一倍考えて、上もうまく使って自分の信念にそって会社が動く。やる気次第です。
自分の意見を自分が通す必要はありません。その上の人が「いかにも自分で考えたかのような結論を自ら導き出させる」ことを目指し、実はそれはあなたが目指していることだとしたら?裏で思うように組織を動かせるまでに戦術レベルを上げる。そこまで考えて組織を動かしていければ会社を動かせるはずです。そうしないとやってられません。
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