ビジネスにおける商社の使い道【マージンORコミッション】

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一般的に商社というビジネス習慣は日本独特のものと言われる。ただし海外を相手に仕事をしていると個人のブローカーや、顧客との密な関係を売りにして自分で会社を作っている方が多いので私はそうは思わない。確かに日本のように大規模で力のある商社という役割や単なる仲介業者であるディストリビューター以上の力を持っているケースも多い。

 

そもそも商社を何故利用するのか、BtoBのメーカーの立場で少し記載したい。

 

 

メーカーが商社を使う意味

まず前向きな場合と後ろ向きな場合がある。後ろ向きな場合とは債権回収リスクを自分で持ちたくない、もしくは手間を省くためという理由だ。これはこれでメーカーとしては前向きな決断とも言えるが、2社の関係性ではお互いメリットが薄いので後ろ向きの提携と考える。次に「前向きに」商社を使うという場合については理由は3つある。あくまでも事業を拡大する意味において「前向き」にメーカーが商社と付き合う意義はどこにあるのか。

①情報収集

情報そのものを入手したい場合。自社では営業マンがいない中小企業もそうだが、大企業でも一つ一つのプロジェクトや製品のセグメントで見ると、情報を充分収集できる体制にないといえる。そういった場合、社内のリソースを見ては人材がいない、人件費が大幅にあがってしまうなどの状況におかれることが多い。このようなケースの場合に事業の重要な情報をキャッチしてくれる商社は多少の利益を落としても活用したいと思える。同業や複数の業界に出入りしている商社が情報を持ってきてくれるという点は非常にメーカーにとって重要なファクターになりうる。

 

②販路拡大

販売チャネルの拡充にために活用する場合。自社では販売チャネルが無いケース全てが当てはまる。販売ルートを構築したいターゲット顧客や、未開の地に詳しいなどの場合だろうか。私も数多くの商社と接する機会が多いが、販路をもっている商社こそ、やはり相談をしたいと思える相手である。自社のコネクションを誇張しがちなケースも多いが、たいていの場合はその人の気持ちを見ていれば本当かどうか分かる気がする。

 

③社内資源の最適化

アウトソーシングする場合。社内で①と②の役割を担う人材がいない場合、商社を活用する。自社で抱える場合はその人材の人件費全てをその事業から賄う必要があるが、商社側では複数の資材を扱っているケースが多いし、彼らの薄まった人件費を活用させてもらったほうが効率が良い場合がある。メーカーとしては数多くの製品を生産・販売している。一つ一つの製品に戦略は必要だし、海外展開ともなるとそれぞれ担当部門をつけて世界中をマーケティングすることは実質不可能だ。資源の選択と集中をしていないという点は否めないが、往々にしてメーカーは製品セグメントで事業部や販売部門を分けておりそれぞれが判断しているのが現状だ。非常に非効率な話だが、同じ顧客に対して複数の部門が自分の部門の製品を個別に話に来る、もしくは「あれは他部門なので私は知りません」と平気で応えていることが現実的には非常に多い。

 

商社に払うコストをメーカーはどう捉えているか

それでは商社に対して払う対価をどう決めているか。製造業にいる身としては実はあまり「粗利」という思考はない。どちらかというと他の製造業さんと同じく「営業利益」と「限界利益」の2つを重点的に見る思考で事業を捉えている。売価から変動費としての原料を引いた限界利益で工場や研究所、販管費を賄う思考になる。あまり粗利益という概念は重視していない。一方で商社の場合、実際の生産を行なわない点から粗利は限界利益に近いものになる。あくまでも一般論でしかないが商社は粗利から事務所代と人件費、活動費を賄う。彼らの力を活用させていただくためには、どのように費用を払うかがポイントとなる。

 

商社への対価は大きく2つの方法で支払われる

大きく2つの手法をとって対価を払う。時と場合によってそれぞれのメリットが異なるので、ケースバイケースで取引方法を変えているのが実情だ。以下の通り2つの手法がある。

 

①マージンベースの取引

②コミッションベースの取引

 

①マージンベースの取引

これは売価を商社に提示し商社が顧客に売価を設定して販売する方式。一般的にはこのケースのほうが多い気がします。メリットはたくさんの顧客へアプローチ可能であること、デメリットは末端価格が見えにくいことがあげられる。商社に任せてしまえば、商社が自発的に顧客へ紹介してもらえる。また、商社のマージンは商社に決定権がある為、商社も頑張って利益を増やして売価設定できれば、まるまる商社への儲けにつながる。一方で限られたターゲットにアプローチしたい場合に、顧客からの価格情報がメーカーとしては見えなくなってしまう。一体末端顧客がいくらで買っているのか分からないこともあり、特定のユーザーと深い価格交渉ができなくなってしまうデメリットは認識する必要がある。

 

②コミッションベースの取引

こちらは売価を自社が末端ユーザーに直接提示するパターン。その売上からコミッションを商社に払う場合にこの方法がとられる。顧客への見積りは商社にもっていってもらうが、商社へは「売上の何%」という形でコミッションを当社から商社にお金を落とす流れとなる。メリットは末端価格がコントロールできること。商社が同席している末端ユーザーとの面談でも商社と末端価格の話がオープンにできる。デメリットは価格交渉など基本的に当社が全面にたって行う必要がでるという点だ。商社はあくまでもコミッションである為、顧客と価格交渉をするのはあくまでもメーカーとなる。

 

結局のところお互いWin-Winになることが大切

メーカーが商社に払う対価は2種類を基本としているが他にも細かく分けることができる。ただし重要なことはお互いがメリットを得られる関係を念頭に仕組みを作ることが前提となる。短期的な関係よりも長期的な関係になるように、どちらかが大きな負荷を負っている関係は健全ではない。そのときは良くても経済状況の変化があれば関係性に亀裂が走る。関係がよければオオゴトになる前に相談レベルで解決できる問題も多数ある。メーカーは商社に対して偉そうにしてはいけないし、商社も飯のタネだと思ってへりくだる必要は一切ない。お互いビジネスのパートナーであると共に縁でつながっていることを忘れてはならない。

 

お互いの強みを発揮できて、尚且つ弱みを補完しあえる関係。それこそが目指すべき関係である。

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